2017-02-05

『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』

  

ここ何年かフルマラソンの大会に参加していると、裸足ランナーやワラーチランナーの数がわずかながら増えているのが観察される。これは『BORN TO RUN 走るために生まれた』の影響が大きそうだが、「ヒトの足」というシステムに興味を持った人たちがランナーの中に少しずつ現れたということなのかもしれない。私たちの足はなぜこのようになっているのかという疑問が生まれるのはランナーにとっては自然のことのように思う。「裸足で走ることへの回帰」が今後どういう風に流行っていくのかとても興味深い。

ところで裸足ランといえば、ハーバード大学の人類進化生物学教授であるダニエル・E・リバーマンだ。その「裸足の教授」による本書の核をなすテーマは、人間の進化と健康と病である。私たちの身体的進化と文化的進化が生み出す「ミスマッチ病」とは何なのか、それを予防することはできるのか。最後に著者は考えられる未来へのアプローチを見せてくれる。実際に何をするのかは読者自身が考えるしかない。

 

No comments:

Post a Comment